Blog理事長の独り言

⑮日本人の心 1

日本人の心・1

私がハタチの頃だったろうか某ウイスキー・メーカーのコマーシャルに、≪大陸から渡って来る雁は、小枝をくわえて日本海渡り来ると云う。疲れたら小枝を海に浮かべてその上で体を休めたと云う。日本の浜に着くとその小枝を浜に落として飛び立っていく、夏になってやがて故郷へ帰る時自分の落として行った小枝を再びくわえて帰って行く。後には帰れなかった分だけ小枝が残ったんだと云う、浜の漁師はその小枝を集めて帰れなかった雁の供養をしたんだと云う。にっぽん人っていいな~≫と言うのがあった。正確ではないが哀愁漂うナレーションと、尺八の奏でる悲しいメロディーに強い衝撃を受けた記憶が残っている。

この歳になって、あの時のナレーションの深味がほんの少し理解できた気がする。

高卒で、初めての職場に立石さんと言う長身・初老の先輩がいた。窓口業務でいつも背筋を正し、上品でロマンスグレー、私の様な新米にも優しく接してくれた。ある時、ひょんなことから立石さんの過去を知ることが出来た。あるひと曰く「立石さんは職業軍人だったらしい」と、又ある人は「2・26事件の生き残りで、最前線をたらい回しにされた挙げ句、ソ満国境で終戦を迎えたらしい。更に自分が逃げるのに精いっぱいの中で民間人300人ほどを引率して日本に帰って来たらしい」と言っていた。 凄く感動した事を覚えている。人は窮地に 陥った時に本性が出るという。日頃威張り散らしていた関東軍の高級参謀・将校たちは、ソ連が攻めてきたと知るやありったけの軍備品と自分の家族だけを引き連れて早々帰国の途に就いたと言うのに…日本の現官僚たちと関東軍の参謀たちをつい比べてしまう。

人の生き方は様々である、これが正解と云う数学的な回答はない。ただ常々思うことは自分が同じ立場だったら人として「どちら側に立つのか」「どちらの生き方を選ぶのか」との問いかけを続けていく事が大切だと私は思っている。し、子ども達には生きとし生けるもの全てに対して「もののあわれを知り」「優しさ・思いやり」を持つことが人として恥ずかしくない生き方であると…日本人の心であると伝えていきたい。

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