Blog理事長の独り言

⑭馬毛島に思うこと

馬毛島に思うこと(事実認識)

種子島の西方海上12KMに浮かぶ面積8平方キロメートルの小さな、馬毛島が大きく揺れている。ピーク時の1960年には、500人ほどの住民が居住していたが、その後人口は減少し、1980年ついに無人島となった。一時期、地元では地下鉄サリン事件で悪名高いオームが買ったとの噂が出た事もある(これは、余談)。

日米両政府は、この島をFCLP・在日アメリカ軍による空母艦載機離着陸訓練の最有力移転候補地としており、防衛省は移転に向け現地調査を進めている。

地元の自治体(西之表市、中・南種子町)は、訓練に伴う騒音や安全性に加え、島の軍事基地化への懸念や、住民の反対も根強いことから、今のところ慎重な姿勢をしめしている。 そこでまず、空母艦載機の離着陸訓練・FCLPとは何か、その内容や歴史的経緯を押さえておきたい。

いまから遡ること9年ほど前の2011年6月、日米の外務・防衛 閣僚会議が開かれ、安全保障に関する共同文書が取りまとめられた。この中で 現在、硫黄島で行っているFCLPの移転候補地として、馬毛島が明記された。

FCLPとは、米軍の空母に搭載される戦闘機が、陸上の滑走路を空母の飛行甲板に見立てて離陸と着陸(タッチ&ゴー)を繰り返す訓練で。特に離着陸訓練が難しいと言われる夜間に集中して行われる。

元々FCLPは空母艦載機の拠点だった神奈川県の厚木基地で行われてきたが、事故が多発し、住民被害や騒音問題が深刻化したため、1991年以降小笠原諸島の硫黄島で行われるようになった。その後在日米軍の再編に伴い、空母艦載機の拠点は厚木基地から山口県の岩国基地に移ったが硫黄島との距離は1400KMとなり、硫黄島∼厚木間(1200KM)より更に遠くなった。一方で岩国基地∼馬毛島間は400KMと3分の1足らずなのでパイロットの安全性向上やコスト面での改善を理由にアメリカ軍は、馬毛島へのFCLP移転を強く求めてきた。

現在、東京の開発業者が島の大半を所有している中で。業者は2007年、FCLPの受け入れ先として名乗りを上げている。以来、防衛省は開発会社との間で売買交渉を進めている。

防衛省は当初、土地の価格を約45億円と鑑定。一方、会社側は島に独自滑走路を整備・投資してきたことを理由に数百億円での買取を求めて折り合いがつかず暗礁に乗り上げていた。ところが最近になって、およそ160億円で買収することを大筋で合意2019年1月9日確認文書を交わしている。

防衛省は買収額が鑑定額より大きく膨らんだことについて「日米同盟に基づく両国の信頼関係を維持・強化する為に必要な措置だ」と言っている。

この問題は全島民、なかんずく子供たちの未来を大きく左右する問題を含んでいるので 今後、数回に分けて「独り言」を続けていきたい。

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